口にしたこと
彼が実際に言ったこと、したこと。連絡の間隔や、前と変わった場所。まず、ここを雑に扱わない。
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鑑定シート、受け取ったよ。
今、あんたの言葉と生年月日を重ねて視てる。
待ってる間に、先に伝えておきたいことがある。
あたしがどうやって視える側になったのか。
霊視で、相手の何を視てるのか。
最初から、鑑定師になろうと思ってたわけじゃない。
一人の占い師のところへ通ってるうちに、気づけば客じゃなく、お茶を出す側になってた。あたしが今も師匠と呼んでる女。
ある日、常連の相談を横で聞いてた。
その人がまだ話してない場面と、相手がもう決めてることが、急に頭へ入ってきた。
気づいたら、口に出してた。
「その男、もう決めてるよ。
言わないだけで」
後日、その通りになった。
師匠は驚きもしなかったよ。
あたしの顔を見て、一言だけ。
「あんた、気付いてないかもしれないけど、
視えてるよ」
一番信じてなかったのは、あたし。
でも、その日から、今までただの違和感だと思ってたものが、形を持って入ってくるようになった。
彼が実際に言ったこと、したこと。連絡の間隔や、前と変わった場所。まず、ここを雑に扱わない。
気持ちがあっても動けない迷い。言葉と行動がずれる理由。表に出てる一言だけでは見えない層。
彼が離れる。あんたが確かめる。彼がまた黙る。どっちが悪いかじゃなく、反応がどの順番で続いてるか。
相手の心を、何でも覗けると言うつもりはない。
シートに書かれた出来事、生年月日、二人のやり取り。そこへ霊視で入ってきたものを重ねる。
一個の言葉を当てるんじゃなく、ばらばらの材料を一つにつなぐ。
あたしがやってるのは、そっち。
力が開いたばかりの頃、あたしは視えたものを、そのまま口にすればいいと思ってた。
師匠に止められた。
「視えるだけなら、ただの覗きだよ。
相手が持って帰れる形にして渡して、初めて鑑定」
もう一つ、何度も言われた。
「当てて終わるな。
選べるようにして返せ」
だから、彼の気持ちを一言だけ書いて終わらせない。
その気持ちが、なぜ今の行動になってるのか。
二人は、どこで止まってるのか。
あんたが受け取れる形まで、言葉にする。
今回の鑑定では、今の二人を四つの角度から見せる。
これは見本。星は未来の確率じゃない。あんたの鑑定では、今視えてる濃淡を個別に出す。
全部を同じ長さで説明するつもりはない。
今、一番詰まってる場所を一つ決めて、そこを中心に返す。
もう少しだけ待ってて。
夜のほうが、よく視える。
まとまったら、LINEにそのまま届ける。
すず